【2021年】スマホを子供に持たせるか持たせないか問題(102)
- K
- 2021年10月24日
- 読了時間: 6分
これまで持たせる派を貫いてきた。
IT企業のトップは子供にスマホを与えない。
スティーブ・ジョブスもiPadをそばに置くことすらしないと答えたことは有名だ。
グーグルの元「製品哲学担当者」は、
アップル、グーグル、フェイスブック、ユーチューブ、
スナップチャット、ツイッター、インスタグラムといった企業の製品、
サービスが我々の時間を意図的に“ハイジャック”するよう設計されていると述べたことも有名だ。
フェイスブックの初代CEOショーン・パーカーも、
同サービスに中毒性を持たせるようにデザインしたと認めている。
ビル・ゲイツも子供は14歳まで携帯電話禁止にしていたそうだし。
子供の前では自分もスマホを使わないようにしている、という親も多いそうだ。
上記のような内容はもちろん当時からしっていたが、それでも子供にスマホを持たせる派を貫いてきた。
一番の理由は、うちの子はそうはならない、という信頼だ。
幼い頃からスマホを持つことで、
Youtubeを見続けたり、ゲームをし続けたり、それにばかり時間を使うようになる、
というリスクは理解していたが、
自分たち親が適宜注意すればやめさせることは出来るし、
幸い聞き分けのいい子供たちなので注意すればすぐにやめるし、という気持ちだった。
そういうデメリットよりも、
学校の予定や習い事などスケジュールを家族で共有したり、
旅行に行ったときの写真を管理アプリで家族皆が自由に見られるという、メリットを感じていた。
位置情報を共有できるのも便利で安心だ。
iPadで好きな映画を観たり、iPhoneで好きな音楽を聴いたり、
やはり与えてよかったな、という気持ちが大きかった。
リスクとして考えていたYoutube中毒やゲーム中毒の心配も感じたことは一度もなかった。
それが今までの話。
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ここからは今からの話。
子供がティーンエージャーとかになってくると、真のリスクはそこではないと気付かされたのだ。
新たに出現した真のリスクは、チャットだ。
SNSももちろんだが、基本的にはチャットだ。
これは「子供にスマホを持たせる派」を貫いてきた自分の信念が「間違っていたのかも」と思わせるくらいにショックだった。
グループで友だちとチャットしたり、
グループで友だちとビデオ通話したり、
実に今の子供達は恵まれていて、
家に帰ってきてからもずっと友だちとそばにいるかのような感じで幸せそうだ。
少し前までは本当にそれを微笑ましく思っていた。
特にCovidの影響下で家にいることが多くなってしまった中、
本当にテクノロジーの恩恵を感じずにはいられなかった。
が、これは一度、悪い友達グループに接触すると、
いい部分がすべてダメな部分にオセロのように反転する。
誰とでも仲良くなるタイプの子供ほど、この罠にハマるんだなと。
どの世界にも昔で言ういわゆるヤンキーは存在する。
ギャングとまではいかないにしても、候補生な子供は存在して、そういうタイプで群れをなす。
彼らはもちろん常に暇だ。
勉強嫌いなので宿題はテキトーに終わらせ、
習い事も「めんどくさい」のでしないし、部活も「ださい」のでやらない。
なので、暇で暇でしょうがない。
その持て余している時間のすべてを、グループチャットにつぎ込んでくる。
群れて悪さをしているとき以外のすべての時間を、チャットに使ってくるのだ。
家族のSIMカードはすべて自分名義で一括で契約しているので、ある日使用量を見て違和感を覚えた。
ひとつのSIMカードのデータ使用量だけ、恐ろしく多いのだ。
他のものの10倍どころではない。
家にはWiFiがあるから外で使っているということになるが、
外でそんなにデータを使えるわけもないほどの量だ。
この怪奇現象の答えは、チャットだった。
我が家では夜はWiFiを切る。
寝るときは全員スマホも他の電子機器も電源を切るかフライトモードで、22時以降触らないようにしている。
そのWiFiを切っている夜中に、こっそりとチャットやビデオ通話をしていたことが原因だった。
まさか子供が夜中に起きてチャットしているなどとは想像もしていなかった。
そして子供の許可を得てチャットを確認させてもらってさらに驚いた。
もう、秒単位でチャットの通知がつく。
恐ろしいほどの数のグループの板が存在し、そこに恐ろしいほどのチャットが降り注いでいる。
さらにそれが複数のアプリにまたがっていて、
もはや、読んでも読んでも読みきれないレベルの量で、未読がすぐに100件を超えていく。
最近ずっと朝から寝不足の表情をしていた原因がようやく理解できた。
あんなに睡眠時間をとっているのに、と思っていたが毎日3-4時間しか寝れていなかったのだ。
暇で暇で一日中、夜中でもチャットや着信を鳴らし続けてくる悪ガキグループのチャットに、
返信をしているだけの毎日をすごしていたわけだ。
「あぁ、こういうときに親は子供に『あの子たちと付き合うのはやめろ』と言うんだな」
と痛く納得した次第だ。
こんなこと言いたくない言葉の筆頭だった。
制御できるだろうと信じていた自分の子供が、制御不能になっていったのは、
Youtubeでもゲームでもない。
本来なら喜ぶべき「交友関係が広がる」ということが原因となったチャットだった。
そしてこれはさらに良くない方へ進むのだが、
一日中暇で暇で時間をチャットに全力投球しているグループの相手をしていては、
そうでないグループに時間を避けなくなってくる。
そして結果一番長く時間をともに過ごすのはその悪ガキグループ、ということになってくる。
悪循環の極みだ。
さすがに大いに驚いたので、親が制御する、というあまりやりたくない方法をとることにした。
22時以降は電子機器を触らないというのは以前から同じだが、
22時以降、それらを親が預かるというルールに変更した。
「嫌がるだろうな。。。」と思ってあまりいい気はしていなかったのだが、意外にも意外。
全く嫌がることはなく、むしろ、なにかから開放されたかのような安堵感を子供が放っていた。
部屋に閉じこもることもなくなり、日中も自分の部屋ではなくリビングでラップトップを触ったりしている。
なんとも一瞬で良い方向に流れが変わった。
今回のことで本当に痛感したことは、
Youtube中毒やゲーム中毒なんかは大したリスクではないということ。
本当に怖いリスクは、チャットやSNSだ。
交友関係が広がって悪ガキグループとつながってしまったら、みるみるうちに紹介が紹介を呼び、
子供は制御不能になるだろう。
仕事が一番忙しかった時期に、
毎日500件以上のメールが来て、
返信したらさらに返信が来て精神的にやられた時期があったが、まさにその感じだろう。
友だちとの会話は楽しいし、悪いことではない。
でも宿題をしていても何かに熱中していても、
ひっきりなしに通知がなり続けるような状況は大人でも精神的にやられる。
今は誰とでもかんたんにオンラインで出会ってしまう。
これは諸刃の剣すぎる。
悪ガキ連中と出会うのもかんたんすぎるのだ。
このあたり、スマホの使用を制限したり取り上げたりといったことである程度解決はする。
でも一番いいのは一度そこに潜むリスクについて、本音で子供と話し合いをすることだとわかった。
今回のことで2-3時間程度の話し合いを数日間続けた。
それは完全に子供にチャット禁止とか言いたくないからだ。
完全に子供からスマホを取り上げたくはないからだ。
包丁は正しく使わなければ人を殺してしまうかもしれないように、
使い方が何よりも大事なんだと、
これからも引き続きよく子供と話し合っていきたいと強く思う。
結論、2021年も、子供にスマホは持たせる派だ。
そこに、夜中は預かるというルールを加えた2021年。
いかに子供を信頼していても、ある程度の親の管理は必須だ。
