「日本がオワコンだから」という移住は続かない(170)
- K
- 2024年8月5日
- 読了時間: 3分
日本を出てシンガポールに移住したのは2010年のことだ。
その3年前くらいから頻繁に海外出張を繰り返していた。
自分にとっては海外移住はその流れからしっくりくるものだった。
いまでもたまに耳にする。
「日本はオワコンだから」という理由で、
「日本を捨てて海外に住もう」、みたいな文言。
その感じで海外移住すると、たぶん想像しているものと違いますよ、と思ってしまう。
日本の暮らしやすさが身にしみて、1年程度で日本へ帰っちゃうかもしれない。
まぁそれはそれでいい経験かもしれないが。
自分の場合、
「日本がオワコンだから」とかの理由でシンガポールに移住したわけではない。
・ビジネスのスケール
・子どもの選択肢を増やす
という理由で移住しただけだ。
当時から駐在員は山程いた。
しかし、
自分で会社やってる自営業や経営者がシンガポールでも起業し、移住する、という属性は少なかった。
ゆえに、そのポジションを取ることで先行者利益というか、自分程度のものにでもチャンスがあった。
日本に住みながら海外を行ったり来たりするよりも、
もういっそのこと海外に住んでしまえば、もっともっとビジネスがスケールするだろう。
簡単にそれが想像できたのだ。
もうひとつは、子供の教育環境だ。
2人目が生まれたことで、真剣に考えた。
シンガポールで教育を受けさせることで、将来の選択肢が増えるんじゃないか。
たとえ3年で日本に帰ることになったとしても、
言語という部分だけではなく、海外に住んでいたという経験値によって、
見えなかった選択肢が見えるかもしれない。
そういうことを考えて、
日本を出てシンガポールに住んだ。
まぁ軽い気持ちであったことは否めないが、
少なくとも「日本が嫌」とか「日本がオワコンだから」という理由ではなかった。
海外に少し住めば皆わかることだが、
日本は素晴らしい。
「日本はオワコンだ」とかで出てしまうには惜しい。
どんな国であっても、嫌な部分はあるものだ。
100%完璧な国などないわけだから。
そして日本人にとってやはりいちばん住みやすいのは日本だ。
現に、海外在住日本人で、老後は日本に住みたい、と思っていらっしゃる人は非常に多い。
日本で輝いている人もたくさんいらっしゃる中、「日本がオワコンだ」は聞いてて寂しい。
そうではなく、自分の人生のステージごとに、どの国に住むのが一番最適なのか、
次はどの国に住んでみたいのか、ワクワクする方向で考えたほうが移住はうまくいく。
自分たちも、子供が大学へ行き始めたら、シンガポールを出て別の国に住むかもしれない。
それは、シンガポールに来た当初の2つの目的をもう達成したことになるからだ。
目的を達成したのなら、このやけに高い物価の国に住んでいる理由がなくなってくる。
子供も巣立って夫婦二人になったら、住んでみたいと思っていた国はいくつかある。
きっとそれらの国に住むだろう。
で、その時再び、その時の人生のステージがワクワクする方へかじを切るだけだ。
決して「この国がオワコンだから」という理由ではなく。
それこそが、国をまたぐという大変なことをするにあたって、
楽しく長続きする海外移住のコツだ、と信じてやまない。
