自分は友達5人の平均であるということ(175)
- K
- 2024年12月3日
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一番近くにいる友達5人の平均値に、自分は収束していく、という法則は、
昔からよく言われていることだ。
遺伝的に突出した能力があるとかないとかにかかわらず、
環境要因によって、その能力は収束する傾向が高い。
自分より少しレベルの高い5人の中に入ると、自分のレベルも上がる傾向にあるが、
その逆の場合、自分のレベルも下がる傾向にある。
息子はシンガポールのインター校に通っている。
必然的に友人たちはお金持ちの子ども達である。
ちょっと裕福な暮らし、というレベルではなく、
もう数ランク上のお金持ち家庭が多い。
なんなら代々資産を守ってきて、これから何代先までも財産減らしようがないんじゃないか、というご家庭も珍しくない。
そんなご家庭の子どもたちは、自分の家族が恵まれた裕福な家庭であることを理解しているし、
莫大な遺産を引き継ぐことも知っている。
スタート地点で相当に有利な位置にいるし、
お金に困らないところから始まるのだから、カネなしコネなしで起業する子とはまるで違う。
渇望して学歴を得ようとしているわけでもないし、
そこに焦りがなかったりする。
一般的によく2代目問題、3代目問題で言われていることだ。
その環境があることを理解してね、と息子に伝える。
自分の友達は自分より勉強していない、だから自分はこれでも一番勉強している方だ、
という言葉が出たときに、「それは前提条件が違う」と伝えた。
基本的には、必要ないと思っているなら勉強しなくていい。
必要だと思うなら頑張ればいい。
所詮自分で思わない限りはスイッチなどはいらないからだ。
でも、気をつけなくてはいけないのは、5人の平均に収束する法則だ。
最初からお金持ちで、たいして頑張らなくても将来が約束されている子。
なりたいものを目指して必死で上り詰めなくても、生活には困らない子。
ロールプレイングゲーム始めた時にレベル70とか80でスタートできちゃう子達5人が自分の周りにいる場合。
最初の街ですでに使いけれないほどの大金を持った主人公達が5人の場合。
その環境にいて、その子達の努力レベルに収束すると、前提条件が違うので危ない。
焦りがなく余裕がある5人に囲まれて、
自分も余裕があると勘違いする。
皆より少しは頑張ってるし、大丈夫っしょ、となる。
でも前提条件が違う。
私は遺産を残すつもりはないので妻と使い切るだろう。
息子はレベル1から冒険をスタートする人なのだ。
所持金も50Gくらいからスタートするのだ。
どんな5人を努力基準にするのかは、考えたほうがいい。
もちろん仲の良い友達とたくさん一緒に過ごし、たくさん遊べばいいが、
なにかに努力する時には、
自分と同じかそれ以上渇望している5人を基準にしなければならない。
(仲の良い友達と、渇望している友達が同じならそれは非常に幸せなこと。)
もしあまり焦っていない友だちがいるのだとしたら、それは、
最初からレベル80だから焦ってないし余裕があるだけだ。
80でも十分に強いからそのままでもラスボスに勝てるだけだ。
最初から999,999Gもってるから狩りをしなくていいだけだ。
好きな武器や防具は今すぐ何でも買えるのだから。
レベル1で所持金50Gのおまえがその感覚に収束してたら危険だよ、と。
ただ、「もう追いつけない」などと寂しくなる必要はない。
大丈夫、正しいタイミングで正しい努力をすれば、追いつけるし追い越せるだろう。
最近リメイクされたドラクエ3をやってみればわかるとおり、
ジョブチェンジ後はレベル1から再スタートだ。
けど、レベル1からレベル50くらいまではさくさく行く。
その間、レベル80のキャラは大してレベルアップしない。
レベル50以降はかなり頑張らないとレベルは上がらないし、
レベル80以降は必要な経験値が大きすぎて本気の人しか無理だからだ。
レベル1‐50にする努力はレベル80‐85にする努力よりはるかに小さい。
成長曲線とはそういうものだ。
20%の努力で最初は80%の結果が出る。
だが、十分に成長してからは、80%の努力をしても20%程度の成長しか得れない。
そういうものだ。
これが現実社会となると、そのレベル1‐50までの間に身につく能力はえげつない。
80-85の間に身につく能力とは比べ物にならないほど利便性が高いのだ。
このプロセスを経験しない手はない。
だから遺産を残すつもりはないし、レベル1からやれ、と。
ジョブチェンジしてレベル1からスタートしたと思え、と。
大丈夫。
遺伝子は引き継いでいる。ステータスは半分は引き継がれているのだから。
教えも引き継いでいる。覚えた魔法や特技はそのままなのだから。
レバレッジの効くチームもある。周りにレベル80の仲間はいるのだから。
自分がすでにレベル80だという錯覚にだけは陥らないように、と。
