シンガポールでFIREするということ(176)
- K
- 1月23日
- 読了時間: 4分
年末、珍しくバタバタしていたので、
気がついたら年が明けていた。
実は去年(2024年)の末で、自分の会社をほぼ全て売却してから丸3年が過ぎた。
当初は暇で暇で気がおかしくなりそうだったけど、
3年も経つと仕事をしないなりにルーティンは出来てくるもので。
今は毎日なにかと充実して過ごさせてもらっている。
初めてお会いする人に、いまは何もしていないことを告げると、
「いいですね!羨ましい」
「FIREですね!」
と言われることが多いが、完全に何もしていないということではなく、
自分で投資などは続けているから、想像されているよりは何かをしている状態と言える。
そもそもシンガポールでFIREするということは資産がいくら位必要なのだろうか。
結論として、SGDで10ミリオン(わかりやすく10億円としておこう)というのが、
スタートラインだと思う。
もちろん、家族構成や、ライフスタイルに大きく左右されるので、
ここでは、
・子ども2人の4人家族
・セントラルエリアでそこそこ手頃なコンドミニアム住まい
・子ども2人がインター校
と設定しておこう。
以前にも書いたように、
この設定で特に贅沢をしなくても、年間40万ドルが消えていく。
さて、FIREの状態もいろいろあるので、
ここでは、
「入金力がゼロ(←時間拘束を伴う労働からの)でも資産が減らない」状態と仮定したい。
Savings Bonds (SSBs)、
Singapore Government Securities (SGS bonds)、
Treasury Bills (T-Bills)、
の利回りは今3%を切っている。
シンガポールの年金制度CPFの利回りは、
Ordinary Accountで2.5%、Special, MediSave and Retirement Accountで4%。
普通預金でも高金利を謳うネットバンクはいくつかあるが、それも軒並み3%を切り始めている。
UOB One Accountは実質4%だが上限が15万ドルまでだ。
これらを考えるとわかるように、
シンガポールでリスクを極力取らずに運用するとした場合、4%の利回りを得ることは不可能と言える。
これが、10ミリオンドルがスタートラインと書いた理由だ。
4%で回せて初めて、年間40万ドルの利息。
もちろんインフレも考慮するとそんなものでは全く駄目ということがわかる。
USDなら運用の幅も広がるが、SGDとUSDの為替はペグしてるとはいえ、ブレはある。
ちょっとブレるとそんな利回りは吹き飛ぶので、USDでの運用もなかなか手ごわい。
そうなると、極力リスクを取らない運用で放置状態にして生活し、かつ、
来るインフレリスクにも対処できる状態、というと、
20ミリオンドル程度必要かな、と感じる。
まぁもちろん、それだけの資産があれば、ある程度のリスクも取って分散させるだろうから、
そんな悲観的ではないにしても。
少し前に、
「年収1億のエクスパッドが東京で住んでて家計は火の車だ」という件で炎上していたが、
都心で外国人として暮らすと考えれば、わからんでもないのだ。
だって、日本の場合年収1億でも手取りは5000万円。
それはシンガポールで40万ドルと言ってるのと変わらないのだから。
東京でもシンガポールでも、外国人としてそこに暮らす場合、
子どもがインター校の場合、そういう生活費になるということだ。
東京にしろ、シンガポールにしろ、
こういう家族構成で子どもがインター校の場合、
普通の入金力では圧倒的に足りない。
少し足りないとかではなく、圧倒的に足りない。
稼ぎ頭の入金力は桁が外れていなければならないということだ。
そうなってくると、雇われて働くよりも、もう自分で事業を起こしたほうが早いと言えるかもしれない。
もしくは最初の就職からそういう年収のポジションに狙いを定めて一気に駆け上がるしかない。
少し話がそれたが、結論、シンガポールで無職は、それなりに大変だということだ。
自分はFIREとか言うつもりもないし、単に職がない状態が3年続いたというだけだ。
一回休憩する、という意味では、ちょっと長く休憩している気がしているが。
